トヨタの本格SUVとして絶大な人気を誇るランドクルーザープラド150系。2009年の登場から2023年の生産終了まで、長きにわたって愛されてきたこのモデルは、現在中古車市場でも非常に注目されています。特に購入を検討する際、多くの人が頭を悩ませるのが「ディーゼル車」と「ガソリン車」のどちらを選ぶべきかという点ではないでしょうか。
維持費や走行性能、そして将来のリセールバリューなど、中古車ならではのチェックポイントは多岐にわたります。この記事では、ランドクルーザープラド 150系の中古車を探している方に向けて、ディーゼルとガソリンの決定的な違いや選び方のコツを、専門用語をやさしく解説しながら詳しくご紹介します。
ランドクルーザープラド 150系の中古市場におけるディーゼルとガソリンの比較

中古車市場でランドクルーザープラド150系を探すと、まず価格帯の幅広さに驚くかもしれません。この価格差の大きな要因となっているのが、エンジンの種類です。同じ年式であっても、ディーゼル車とガソリン車ではキャラクターが大きく異なります。
圧倒的な加速力を生むトルクとパワーの差
ディーゼル車とガソリン車の最も大きな違いは、エンジンの「トルク」にあります。トルクとは、タイヤを回すための根源的な力のことで、これが大きいほど重い車体を軽々と動かすことができます。プラドのような2トンを超える重量級の車体にとって、トルクの強さは走行性能に直結します。
ディーゼルエンジンは低回転から強烈なトルクを発生させるため、坂道や追い越し時の加速が非常にスムーズです。一方でガソリンエンジンは、パワー(馬力)の出方が穏やかで、高回転までスムーズに回る特性があります。高速道路をゆったり走る分にはガソリン車でも十分ですが、力強い走りを求めるならディーゼル車に軍配が上がります。
特にキャンプ道具をフル積載したり、大人数で移動したりする機会が多い方にとって、ディーゼル車の余裕のある走りは大きなメリットとなるはずです。アクセルを軽く踏むだけでスッと前に出る感覚は、一度体験すると忘れられない魅力の一つといえるでしょう。
毎月の家計に影響する燃費と燃料費の違い
中古車選びにおいて、購入後の維持費は見逃せないポイントです。燃料費の面では、ディーゼル車が圧倒的に有利です。ディーゼル車が使用する「軽油」はガソリンよりも安価に設定されており、さらにエンジン自体の燃費効率も優れています。
具体的には、ガソリン車の実燃費がリッターあたり7kmから9km程度であるのに対し、ディーゼル車は10kmから12km程度伸びることも珍しくありません。年間走行距離が1万キロを超えるような方であれば、毎月の燃料代の差は数千円から一万円近くになる可能性もあります。
ただし、中古車価格そのものはディーゼル車の方が高く設定されています。そのため、燃費の良さだけで車両価格の差額を埋めるには、かなりの走行距離をこなす必要がある点には注意が必要です。自分の年間走行距離をシミュレーションしてから選ぶのが賢いライフハックです。
将来の売却額にも関わるリセールバリューの傾向
プラドが「資産価値が高い車」と言われる理由は、その驚異的なリセールバリュー(売却価格)にあります。150系プラドは海外でも非常に人気が高く、数年乗った後でも高値で買い取ってもらえるケースが多く見られます。
一般的に、中古車市場ではディーゼル車の方が需要が高く、買取価格も高めに推移する傾向があります。特に走行距離が伸びてからも価格が落ちにくいのはディーゼル車の強みです。しかし、ガソリン車も負けてはいません。ガソリン車は海外輸出の規制に適合しやすいため、特定の国々への輸出ルートがある時期には、信じられないような高値がつくこともあります。
結果として、どちらを選んでも他の車種より損をしにくいのがプラドの素晴らしいところです。少しでも初期費用を抑えたいならガソリン車、数年後の売却価格を最大限に安定させたいならディーゼル車という選択肢が現実的です。
モデルチェンジの歴史を把握して150系プラドの年式を選ぶ

150系プラドは、販売期間が約14年と非常に長かったため、製造された時期によってデザインや機能が大きく異なります。大きく分けると「前期」「中期」「後期」の3つの世代が存在します。それぞれの特徴を理解することが、理想の一台に出会うための近道です。
【150系プラドの世代区分】
・前期型:2009年9月~2013年8月(丸みを帯びたヘッドライト)
・中期型:2013年9月~2017年8月(「涙目」と呼ばれる特徴的なライト)
・後期型:2017年9月~2023年11月(精悍な顔つきと安全装備の充実)
手が届きやすい価格帯が魅力の「前期型」
150系プラドの中で最もリーズナブルに購入できるのが、2009年から2013年まで製造された前期型です。デザインは比較的シンプルで、街中にも馴染みやすいスタイルが特徴です。この時期のモデルはガソリン車が中心で、ディーゼル車(国内向け)はまだラインナップされていませんでした。
中古車としては走行距離が進んでいる個体も多いですが、プラドはもともとタフな設計がなされているため、しっかりとメンテナンスされていれば10万キロを超えても元気に走ります。予算を抑えつつ、プラドの持つ「所有する喜び」を感じたい方には最適な選択肢です。
ただし、年数が経過しているため、ゴム部品の劣化や足回りのヘタリなどをチェックする必要があります。購入時には、記録簿(整備の履歴)が残っているかどうかを確認し、過去にどのような整備を受けてきたかを知ることが大切です。
ディーゼル車が登場し人気が加速した「中期型」
2013年のマイナーチェンジで登場した中期型は、フロントマスクが大きく刷新されました。そして2015年には、ファン待望の2.8リッタークリーンディーゼルエンジンが投入されました。それまでの4.0リッターガソリン車に代わるハイパワーモデルとして、一気に注目を集めることになります。
中期型のディーゼル車は、現行の後期型に近い走行フィールを味わいつつ、車両価格を少し抑えられるという「おいしい」ポジションにあります。トランスミッションも4速ATから6速AT(ガソリン車は2015年の一部改良から)へ進化しており、燃費性能や静粛性も前期型に比べて大きく向上しています。
デザインの好みは分かれるところですが、装備と価格のバランスを重視するなら、この中期型を狙うのが非常におすすめです。特に、ディーゼル車を検討している方にとって、中期型は中古車市場での流通量も安定しており、比較検討しやすい世代といえます。
先進安全装備が充実した完成度の高い「後期型」
2017年以降の後期型は、現在の中古車市場で最も人気が高いモデルです。ヘッドライトが薄くシャープな形状になり、より高級感が増しました。さらに、衝突被害軽減ブレーキなどを含む「Toyota Safety Sense」が標準装備された点も大きなトピックです。
安全性能を重視するファミリー層にとって、後期型は外せない選択肢となるでしょう。また、2020年の一部改良ではディーゼルエンジンのターボチャージャーが強化され、最高出力が177馬力から204馬力へと大幅にパワーアップしました。これにより、高速道路での合流や追い越しがさらに楽になっています。
価格は高年式ゆえに高めですが、その分だけ故障のリスクも低く、最新のSUVと比べても見劣りしない性能を持っています。長く乗り続けることを前提にするのであれば、無理をしてでも後期型を選ぶ価値は十分にあります。
長距離移動が多い人に最適なディーゼル車の魅力

プラドのディーゼル車は、特にロングドライブを好むユーザーから絶大な支持を受けています。クリーンディーゼルとしての環境性能を保ちつつ、オフローダーらしい力強さを兼ね備えているのが特徴です。ここではディーゼル車を選ぶ際のポイントを深掘りします。
坂道や高速道路でも余裕を感じる走行性能
ディーゼルエンジンの最大の強みは、低回転から発生する強大なトルクです。プラドの2.8Lディーゼルエンジンは、トラックのような力強さを持ちながら、乗用車としての扱いやすさも備えています。特に重い荷物を積んで山道へ向かう際、そのパワーの差を実感するでしょう。
ガソリン車ではエンジンを大きく回転させて「頑張って登っている」感覚になるような場面でも、ディーゼル車ならアクセルを軽く踏み増すだけで、涼しい顔をして登っていきます。この「余裕」こそが、長距離運転における疲労軽減に大きく貢献してくれるのです。
また、高速道路での巡航時もエンジン回転数を低く抑えられるため、長時間のドライブが苦になりません。一度このトルクフルな走りを体験してしまうと、他の車には戻れないというオーナーが多いのも頷けます。
ディーゼル車特有のメンテナンスと「DPF」の仕組み
クリーンディーゼル車には、ガソリン車にはない特有のメンテナンス事項があります。その筆頭が「DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)」の取り扱いです。これは排出ガスに含まれるスス(微粒子)をキャッチして焼き払う装置です。
短距離の移動ばかりを繰り返すと、このススを焼き払うための温度が上がらず、フィルターが詰まってしまうことがあります。詰まりを防ぐためには、定期的に30分程度の連続走行を行うか、車側の「手動再生」機能を使ってケアする必要があります。といっても、普通に遠出を楽しんでいればそれほど神経質になる必要はありません。
また、排出ガスを浄化するために「アドブルー(尿素水)」という液体を定期的に補充する必要があります。走行距離によりますが、数千キロから1万キロに一度程度の補充で済み、費用もそれほど高くありません。こうした一手間をかけることで、環境に優しくパワフルな走りが維持できるのです。
振動やエンジン音に対する向き合い方
ディーゼル車を検討する際、音や振動が気になるという方もいるでしょう。確かに、アイドリング中や低速走行時には、ディーゼル特有の「カラカラ」という音が車外に響きます。しかし、150系プラドは遮音性が非常に高く設計されているため、窓を閉めていれば車内は驚くほど静かです。
むしろ、この独特のエンジン音を「力強さの証」として好意的に捉えるファンも多いです。高級セダンのような無音に近い静けさを求めるなら不向きかもしれませんが、SUVらしいタフな道具感を求めるなら、この音も魅力の一部になります。
近年の改良により、以前のモデルに比べれば振動も劇的に抑えられています。中古車を購入する際は、必ず一度試乗をして、自分の許容範囲内であるかを確認することをおすすめします。多くの場合「思ったよりもずっと静かだ」という感想を抱くはずです。
街乗り中心で静粛性を重視するガソリン車の特徴

ディーゼル車が注目されがちなプラドですが、実はガソリン車にも根強い人気があります。特に、都市部での使用がメインの方や、車内の快適性を最優先したい方にとって、ガソリン車は非常に合理的な選択肢となります。
振動が少なく快適な車内空間を維持できる
ガソリンエンジンの最大のメリットは、その圧倒的な「静粛性」と「低振動」です。アイドリング中や低速でのストップ&ゴーが続く街中の走行において、ガソリン車はディーゼル車よりも明らかに静かです。信号待ちの際に、エンジンがかかっていることを忘れるほど静かな瞬間もあります。
車内での会話を大切にしたい方や、音楽をクリアな音質で楽しみたい方にとって、この静かさは大きなアドバンテージです。また、ハンドルやシートに伝わってくる微細な振動も少なく、高級車らしい滑らかな乗り味を堪能できます。
特に早朝や深夜に住宅街を出入りする場合、エンジン音の小ささは近隣への配慮という点でもメリットになります。「プラドには乗りたいけれど、トラックのような音は苦手」という方にとって、ガソリン車は理想的な答えとなるでしょう。
購入時の初期費用を抑えてプラドオーナーになる
中古車市場において、ガソリン車はディーゼル車に比べて車両本体価格が数十万円安く設定されていることが一般的です。この初期費用の安さは、中古車ライフハックとして非常に大きなポイントです。浮いた予算を、自分好みのカスタムやナビのアップグレードに充てることができます。
また、ガソリン車は自動車税などの税金面でもディーゼル車と差がない(または重量税でディーゼルが優遇される場合がある)ものの、全体的な「購入時のハードル」は低めです。憧れのプラドを手に入れたいけれど、予算的に少し厳しいという場合、ガソリン車を視野に入れることで選択肢がグッと広がります。
燃費の面ではディーゼルに劣りますが、年間走行距離が5,000km以下のライトユーザーであれば、燃料代の差額よりも車両価格の安さの方が家計へのメリットが大きくなるケースもあります。自分のライフスタイルに照らし合わせて検討してみましょう。
エンジン構造がシンプルでトラブルのリスクが低い
プラドに搭載されている2.7Lガソリンエンジン「2TR-FE」型は、非常に長い歴史を持つ信頼性の高いエンジンです。複雑なターボ機構や排出ガス浄化装置を持たないため、構造がシンプルで故障しにくいという特徴があります。
中古車の場合、走行距離が伸びた際のメンテナンスコストも気になりますが、ガソリン車は長期的な信頼性において非常に定評があります。オイル交換などの基本的なメンテナンスを怠らなければ、大きなトラブルに見舞われるリスクは極めて低いといえるでしょう。
また、ディーゼル車のように「DPFの詰まり」を気にする必要がないため、近所への買い物や送り迎えといった「チョイ乗り」が多い環境でも安心して使用できます。道具として気を使わずに長く付き合えるのは、ガソリンプラドならではの魅力です。
中古の150系プラドを賢く購入するためのチェックポイント

エンジン形式を決めたら、次は具体的な個体選びのステップです。150系プラドの中古車はタマ数が豊富ですが、それだけにコンディションの差も大きくなっています。失敗しないためにチェックすべき3つのポイントをまとめました。
5人乗りと7人乗りで異なる利便性と室内空間
150系プラドには「5人乗り」と「7人乗り」の2つの仕様が存在します。これは単に座席数の違いだけでなく、使い勝手にも大きな差を生みます。7人乗りの場合、3列目シートを床下に格納する仕組みになっていますが、その分だけ荷室の床が高くなっています。
一方の5人乗りは、3列目シートがない分、荷室をより広く、深く使うことができます。キャンプなどの大きな荷物を積む機会が多いのであれば、5人乗りの方が使い勝手が良い場合もあります。逆に、急な来客や親戚の集まりなどで多人数乗車が必要になるなら、7人乗りが必須です。
中古車市場では7人乗りの方が人気が高く、価格も少し高めになる傾向があります。自分の家族構成やライフスタイルを考慮し、本当に3列目が必要かどうかを見極めることが、無駄な出費を抑えるコツです。
走行距離とメンテナンスノートの重要性
プラドは耐久性が高いため、10万キロを超える個体も多く流通しています。しかし、単に「距離が少ないから良い」「多いから悪い」と判断するのは危険です。重要なのは、その距離を刻む中でどのようなメンテナンスをされてきたかという点です。
「メンテナンスノート(整備記録簿)」が完備されている車両は、前オーナーが大切に扱っていた証拠です。定期的なオイル交換はもちろん、ブレーキパッドやベルト類などの消耗品が適切に交換されているかを確認しましょう。150系プラドの場合、タイミングチェーン式(ガソリン・2.8Lディーゼルともに)を採用しているため、以前のエンジンのような10万キロごとのタイミングベルト交換費用はかかりませんが、他の部分のチェックは欠かせません。
走行距離が多くても、記録簿がしっかりしていて、高速道路メインで使われていたような車両は、むしろ街乗り中心で放置されがちだった低走行車よりもコンディションが良いことがあります。
ボディカラーやオプション装備による価値の差
中古車選びでは、ボディカラー選びも大切です。プラドで圧倒的な人気を誇るのは「ホワイトパールクリスタルシャイン」と「ブラック」の2色です。これらのカラーはリセールバリューが非常に高く、売却時の査定で有利に働きます。
また、高額なオプション装備の有無もチェックしましょう。例えば、メーカーオプションの「電動サンルーフ」や、最上位グレードに装備される「KDSS(油圧式サスペンション)」などは、中古車価格にも大きく反映されます。特にサンルーフは海外での需要が非常に高く、装着されているだけで売却価格が10万円以上変わることもあります。
他にも、純正のナビゲーションやルーフレール、本革シートなどの装備は、後付けが難しいため、購入時に付いているものを選ぶのが賢明です。自分に必要な装備をリストアップし、装備と価格のバランスが最も良い一台を探し出しましょう。
| 項目 | ディーゼル車 | ガソリン車 |
|---|---|---|
| パワー・トルク | ◎ 非常に力強い | △ 穏やか |
| 燃料代(単価) | ◎ 安い(軽油) | × 高い(レギュラー) |
| 静粛性 | △ 特有の音あり | ◎ 非常に静か |
| 車両価格 | × 高め | ○ 安め |
| おすすめ用途 | 長距離・アウトドア | 街乗り・ファミリー |
まとめ:ランドクルーザープラド 150系の中古で後悔しないディーゼル・ガソリン選び
ランドクルーザープラド150系の中古車選びにおいて、ディーゼルとガソリンのどちらが良いかという問いに、唯一の正解はありません。大切なのは、あなた自身のライフスタイルや予算にどちらが合致しているかを見極めることです。
長距離のドライブや本格的なオフロード走行を楽しみ、力強い加速と燃料代の安さを重視するなら、「ディーゼル車」が最良のパートナーになります。一方で、主に街中での走行がメインで、静かな車内空間を保ちつつ、購入時のコストを賢く抑えたいのであれば、「ガソリン車」こそが賢明な選択といえるでしょう。
150系プラドはどのモデルを選んでも、所有する喜びと高い信頼性、そして優れた資産価値を提供してくれます。この記事で紹介した年式ごとの特徴やチェックポイントを参考に、ぜひあなたにとっての「運命の一台」を見つけ出し、素晴らしい中古車ライフをスタートさせてください。



